コンクリート圧送業について

コンクリート圧送風景01コンクリート圧送業は、コンクリートミキサー車によって建設現場に搬送された生コンクリートを、 コンクリートポンプ車を使用して、油圧により所定の型枠内に生コンクリートを圧送(あっそう)し打ち込む、建設専門工事業です。
このコンクリートポンプ工法は、東京オリンピック(1964年)以降の高度経済成長期に、従来のタワーカート工法にかわる 大量打設可能・作業性改善・省力化工法として普及し、現在に至っています。打ち込んだ生コンクリートが固まったとき、設計値どおりの強度が必要であるため、「生きもの」である生コンクリートの品質を変えることなく 圧送することが不可欠であるコンクリート圧送工(圧送作業員)は、十分な経験と高度な技能、およびコンクリートに関する知識が要求されます。近年においては、建設物の高層化・長大化が顕著であるうえに、コンクリートの高性能化が進み、建設産業の中でも大切な部分を占める、 コンクリート構造物の施工を直接担当するコンクリート圧送工事業の役割は、ますますその重要性を増していると言えます。

圧送業資格

コンクリート圧送風景01

コンクリート圧送業務は、高圧力のポンプ装置を使用し、長さ30mを超す長大なブームを操作したり、数百mにもおよぶパイプライン(コンクリート輸送管)を扱うこともあるコンクリート圧送工は、万一災害事故が発生すれば、重大な惨事を引き起こすリスクも含んでいます。 そのため、徹底した安全施工と、良質なコンクリート構造物を提供するために、コン クリート圧送業務に従事する者には、さまざまな資格の取得が義務づけられています。

各資格について
職長・安全衛生責任者教育 安衛法第60条の「職長教育」並びに平成13年3月26日付基発第178号の「安全衛生責任者に対する安全衛生教育」に基づく教育を実施し、修了者の養成を行い、常に労働災害の防止に努めています。
コンクリート圧送施工技能検定制度 各工事仕様書には職業能力開発促進法(第62条第1項)に基づくコンクリート圧送施工技能士(1・2級)の資格を有する者の雇用が記載されています。
安全衛生法に基づく 特別教育 コンクリート圧送業務は安衛法(59条)で定められた安全及び衛生のための特別の教育を終了した者でなければ作業ができません。   違反した場合は、安衛法第119条による罰則が適用されます。
関圧協安全技術講習 昭和60年4月1日労働者災害補償保険法(通称:労災保険法)の適用改正に伴い、当組合員は安全意識及び圧送技術の向上のため、毎年講習を受けています。
特定自主検査 コンクリートポンプ車は安全衛生法及び安衛則に基づき、特定自主検査を実施して、検査済みのステッカー(標章)を指定の場所に添付しなければ使用できません。   違反した場合は、安衛法第120条による罰則が適用されます。
特別教育再教育 特別教育の修了者に対し、「安全作業の再確認と徹底を図ると共に、施工方法、フレッシュコンクリートの材料・配合、ポンプ車の改良等、日々変化している状況に対応できるよう特別教育再教育を3年ごとに実施しています。

コンクリート圧送基幹技能者とは

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基幹技能者とは、現場施工における十分な経験を有し、現場の実態に応じた施工方法を技術者に提案し、他の職長との調整を図り、現場の技能者に対して適切な指揮・統率を行っていく役割を担う、建設産業における新しい技能者像で、国土交通省により平成8年に策定された「基幹技能者の確保・育成・活用に関する指針」に明示されました。登録コンクリート圧送基幹技能者は、単に圧送技能にとどまらず、コンクリート工事全般に対する施工管理能力、調整能力、幅広い専門知識、優れた指導者に与えられる資格であり、これからの建設産業にあって重要な役割を担うことになります。登録コンクリート圧送基幹技能者の活躍により、建設工事における技術提案、施工効率の向上、品質の確保、労働災害防止に大いに効果を発現できるものと期待しています。